1981 年 7 巻 6 号 p. 635-642
グルコアミラーゼ固定コラーゲン膜による澱粉の加水分解反応速度についての研究を行った.固定化酵素の至適pHは, 可溶性酵素の至適pH 5.0よりも低い値であるpH4.5を示した.可溶性酵素の反応速度がMichaelis-Menten式で整理されたのに対し, 固定化酵素の真の反応速度は, 澱粉濃度に比例した.
コラーゲン膜内の澱粉の有効拡散係数を, 擬定常状態法により測定し, 有効拡散係数は, 酵素担持量に依存することを示した.
実験結果から計算した固定化酵素の有効係数は, 固定化酵素の真の反応速度が澱粉濃度に比例すると仮定して計算した理論的な有効係数と良好な一致を示した.
膜型反応器の設計について, 圧力損失や, 総括反応速度に対する流速の影響などを, 実験的に研究した.