1990 年 38 巻 4 号 p. 429-433
中国・四国地方は瀬戸内海を隔てて相対し, 互いに密接な関係で結ばれている。その沿岸部では古くから塩の生産が行われ, 山間部では鉄や銅の製錬が行われてきた。江戸時代になると, コメのほかに綿, 藍(あい), 砂糖などの生産が盛んになった。さらに明治時代になると, 除虫菊などの栽培が行われた。これらの産業は海外との貿易や合成品の出現によって衰退したが, ソーダ工業, 金属製錬, 紡績, 合成化学などの発展を促進した。また, 各地に優れた人物が現れ, 外来文化を吸収, 同化して, 我が国の学問水準の向上に貢献した。