化学と教育
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生物質と環境化学 : 緑茶を用いる水中の金属イオンの捕集除去(<特集>話題を探る)
木村 優
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1992 年 40 巻 5 号 p. 296-300

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抄録
ある特定の生物が体内の特定の箇所に特定の元素を保持する。この天然の現象(妙)に着目して生物質(biomaterial)を用いて廃水中に含まれる金属イオンを捕集除去する試みが, 近年盛んに行われ始めた。茶ガラ, タマネギの皮, 稲わら, おがくずなどは廃棄物となるので, これらを利用することは資源の有効利用という立場からも意義がある。生物質のタンパク質は, 金属イオンと結合し得る官能基として-NH_2, -COOH, -OH, -SHなどが含まれているので, 金属イオンと化学結合または化学吸着して, それを捕集する能力を有するが, その能力は, 生物の種類に依存して特異的である。
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© 1992 公益社団法人 日本化学会
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