化学と教育
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植物の感覚と運動 : 物質サイドからのアプローチ(<特集>夢・化学-21)
山村 庄亮三義 英一
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1993 年 41 巻 7 号 p. 438-443

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抄録

人の場合, 眠りは意識が分化される一つの方法と考えられ, 通常地球の動きに合わせた時間的, 同期的動きをするともいわれている。植物の場合でもオジギソウ, ネムノキなどは体内時計により制御されたリズム, すなわち概日リズム(circadian rhythm)によってほぼ1日周期で就眠運動を行う。そして, 今世紀のはじめには, これらの運動が化学物質によって引起こされることがすでにわかっていた。しかし, 植物の就眠物質と覚せい物質が明らかになったのは, つい最近のことである。物質サイドから生物に共通な体内時計の本質を突止めることができるか, 興味のつきないテーマである。

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© 1993 公益社団法人 日本化学会
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