1994 年 42 巻 1 号 p. 9-13
中学校に入ってから理科(化学)嫌いが激増するのが現状であるが, 生徒は小学校から中学校へ進む過程で一体化学の何に戸惑っているのであろうか。その一つの分野が, 中学校で始めて取り扱われ実際の姿を見ることのできない原子や分子であることは明らかである。原子や分子について生徒と共にどのように考えていったらよいのであろうか。武蔵中学校で生徒と接することによって筆者が得た, 化学に対する生徒の戸惑いを少しでも減らすための提案と, 原子や分子を生徒自身に考えてもらう具体的な授業例を述べる。