化学と教育
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写真の化学(<特集>記録と記憶のメカニズム)
古舘 信生
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1995 年 43 巻 5 号 p. 291-294

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抄録

150年の歴史を持つ写真は, 私たちの生活空間に深く入り込み一つの文化として定着するに至った。カラー写真には, 二つの大きな技術の柱がある。その一つは, 光に感じるハロゲン化銀微結晶の技術である。現像過程で光化学反応が10^9倍にも増幅でき, 今や人間の眼よりも高感度に達した。もう一つは, 機能性有機化合物の技術である。精緻に設計された発色に関与する化合物, 色補正する化合物, 色素の褪色を防止する化合物などが協奏して, 一枚の写真を作りだす。これらの二つの技術は, 最新の物理, 物理化学, 有機化学の発展に支えられて, 更に技術の深耕が進んでいる。

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© 1995 公益社団法人 日本化学会
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