化学と教育
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「学問としての化学」と「産業としての化学」(社会の中の化学)
大河原 信
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1999 年 47 巻 1 号 p. 6-9

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抄録

合成という-分野をとりあげても1)無数の化学物質を組合せて未知の反応, 合成の種(たね)は尽きない。2)物の持つ機能をひき出し解析し, 逆に多種多様の機能材料を生み出す種は無数である。3)情報, バイオ, 材料といったあらゆる分野で化学は変化, 浸透, 融合し, 研究開発の前途は限りない-などの理由で化学は学び, 使い, 楽しむ科学である。これを産業の側から見れば, 楽しみ以上の責任を伴う。学問としての化学をいかに人間の幸福のために役立たせるか, その重責を担うのは技術者の誇りである。老いたる大学人の反省と希望をこめて, 若い人たちに贈るメッセージである。

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© 1999 公益社団法人 日本化学会
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