1999 年 47 巻 11 号 p. 736-738
国内外で高い評価を得ているカルシウム拮抗薬, ジルチアゼム(ヘルベッサー[○!R])の開発研究の動機と経緯について概説する。さらに, 1, 5-ベンゾチアゼピン誘導体と冠血管拡張作用との構造活性相関について説明する。つぎに, ジルチアゼムの従来の工業的合成法とその問題点について論ずる。問題解決のためには, エポキシドの開裂様式に関して, いままでの常識を打破した反応を開発しなければならなかった。鋭意努力の結果, スズ触媒反応を見いだし, 問題を解決することができ, その反応機構も明らかにすることができた。