2000 年 48 巻 10 号 p. 635-637
グリーンケミストリーはものづくりの立場から環境を守りつつ社会の発展を目指す考え方であり, 90年代初頭に米国環境保護局からの提案をうけて, 現在世界レベルで盛んに議論が行われている。公害問題をきっかけに, とかくイメージの悪かった化学ではあるが, グリーンケミストリーは, 化学こそが目下の急務である環境問題解決の切り札であることを強調した, 化学の復権を図る運動である。この運動を通じてより多くの若い優秀な研究者が化学の分野に参加し, 持続可能な社会システムの構策に向けた大きな流れができることを期待したい。