ライフサイエンスを支える化学(化学が変えた 20 世紀)

抄録

ワトソン, クリックの2重らせんの発見以降, 遺伝子組み換え技術の確立, ヒトゲノムの解析と, 生物と化学の境界領域はすさまじい勢いで発展してきた。ここでは, 生物学の発展における化学の役割を, 遺伝子工学に焦点をあて述べた。これらの進展をささえるためには, 初等中等教育における基礎的な理科教育の強化がますます必要となる。特に, 科学の進歩が学際領域にわたることが予想され, 化学, 生物, 物理などの基礎を広範に身につけた人材が, ライフサイエンスの発展を担う必要がある。