2000 年 48 巻 2 号 p. 94-97
コンピュータ顕微鏡とは一体何だろう。化学反応の現場を量子化学計算にもとづくアニメーションで描写したものである。なぜ, 分子の出会いと変化が起こるかを理解するために, 原子間の引力と反発を支配する量子論的粒子の世界を知ることは不可欠である。アニメーション作りに必要な遷移状態と反応経路をどのように探索するか。コンピュータ顕微鏡で何が見え, 何ができるのか。分子と分子の接近には固有のルートがあり, 姿勢制御がなされることなど, 水が関わる反応について紹介する。