2001 年 49 巻 12 号 p. 795-798
誰でもできる折り紙の手法で, 分子模型を各自でつくることを提案したい。有り合わせのコピー用紙でもできる。折り紙は複雑に見えるが, 折り方の一段階ずつは3歳児でも可能な, 紙を折るだけの操作でしかない。複雑に思えるのは, 次に何処をどちら向きに折るかの判断, つまり, 形の判別の困難さなので, その気になれば困難はない。ヒトの認識能力は, 永い進化的時間の間に, 行動と伴って形成されたものなので, 自ら手を動かして模型をつくることで解ることが多い。これが, 分子模型を折り紙でつくることを提案する理由である。