化学と教育
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免疫抑制剤の話(免疫と化学)
藤多 哲朗
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2001 年 49 巻 7 号 p. 414-417

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抄録

難病で苦しんでいる患者を救う最新の治療法に臓器移植がある。その治療は他人の臓器を移植するために, 免疫応答の結果として起こる免疫拒絶反応は避けることができない。それは自己防衛反応であるゆえ, 免疫拒絶反応を抑制するためには, 防衛を担当する正常な細胞の分化・増殖を抑制しなければならない。その分化・増殖のために免疫情報伝達物質サイトカインの産生や情報伝達経路がある。それらの産生を抑制したり, 経路を遮断する効果的な薬物=免疫抑制剤が, 最近, 発見・開発され臓器移植の成功率を高めてきた。

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© 2001 公益社団法人 日本化学会
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