化学と教育
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プラスチックのリサイクルと化学ゼロエミッションをめざして(ゼロエミッションをめざす化学 1)
奥 彬
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2002 年 50 巻 6 号 p. 450-453

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抄録

ペットボトルに象徴される廃プラスチック問題を, 環境問題のみならず有機資源枯渇問題としてとらえ, 化学産業の生命線である資源保護のために, 教育界, 産官学, 消費者社会が協力して, 一定量の資源から繰り返し同じ商品を製造する資源再生の考え方を実現すべきことを説く。石油は経年的に急速に枯渇する資源, また植物資源は量的に有限な資源であるから, プラスチック産業は早急に資源増殖型の化学的な資源再生技術を考案して「資源の社会的蓄積による無限化への挑戦」に取り組むことを述べる。そのためには製造と廃棄の量を減らすだけでなく, 燃焼処理法を抑制する化学システムと生物非分解性の植物由来プラスチックの生産技術を考案すべきことも説く。さらにそれを助けるデポジット・リース・レンタル制度の普及, 素材の統一, 廃プラスチックの直接クラッキング法によるナフサ循環などを提案している。

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© 2002 公益社団法人 日本化学会
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