2007 年 55 巻 7 号 p. 340-343
博物館は,さまざまな機能をもち,小中高などの教育現場と大学などの研究現場をつなぐ役割も持つ。本稿では,博物館の化学実験教室などを通して行ってきた教材開発について述べる。特にCDやDVDなど身近な素材を使った簡易分光器の開発過程を振り返り,探究活動・課題研究の題材を探す参考としたい。DVD分光器は,日常的な素材だけで作成できるが,デジタルカメラ,パソコン,表計算ソフトや無料ソフトというごくふつうの環境で揃えられるものと組み合わせて,本格的なデータ解析までできる。さらに工夫することによりナトリウムのD線を分離できるほどの高分解能にでき,探究活動や課題研究で幅広く活用できると期待される。