化学と教育
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簡単にできる「たたら製鉄」と現代の鉄つくり(ヘッドライン:金属材料は今おもしろい)
永田 和宏
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2007 年 55 巻 8 号 p. 382-385

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抄録

製鉄の歴史は4000年の昔に遡る。長い間,鉄は高さ約1.2mの炉を用いて人力で送風しながら木炭を燃焼し,発生する一酸化炭素ガスを還元剤として鉄鉱石から造られた。塊鉄鉱石を用いた西洋では低炭素濃度の軟鉄を製造し浸炭によって硬くした。アジアに伝わった製鉄法は粉鉄鉱石を用いて初期の頃から高炭素濃度の鋼や銑鉄(せんてつ)を製造し,6世紀後半に我国に伝わって「たたら製鉄」に発展した。一方,14世紀後期に西洋で高炉が発明されそれまでとは異なった方法で銑鉄が製造され現代に至っている。これらの製鉄原理を述べ,「たたら」による最も簡単な鋼造りの方法を紹介する。

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© 2007 公益社団法人 日本化学会
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