2014 年 62 巻 12 号 p. 606-607
現代社会でもっとも便利なエネルギーは,電気であろうか。効率よく使え,万能といってよい。生体内では,ATPという化学物質が,さまざまな「分子機械」のエネルギー源となっている。ATPは全ての細胞にたっぷり入っていて,いつでも使え,そのエネルギーは高い効率で仕事に変換される。電気エネルギーは無駄なく従ってクリーンに使えるのだが,作る(他のエネルギーから変換する)過程には問題がある。それではATPの方は,どのようにして作られるのだろうか。口絵31ページ参照。