2018 年 66 巻 1 号 p. 16-19
セルロイドは,世界で初めて工業生産されたプラスチックであり,日本では,1908年設立の堺セルロイドおよび日本セルロイド人造絹糸(合併,社名変更で,現在,ダイセル)によって製造が開始された。優れた指導者や邦人技師たちが苦労を重ねて国産化を成し遂げ,その後も幾多の困難を乗り越えて,1937年には世界一の生産量(世界の40%)と品質を誇るに至った。製品は,キューピー人形などの玩具・眼鏡フレーム・ピンポン球・筆箱や下敷きなど,身の回りで広く愛用された。1996年にセルロイド生地の国内生産の幕は閉じられたが,日本の化学産業の先駆けとして,後の事業や製品を生み出す源泉となった。