化学と教育
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論文
天然放射能を用いた放射化学実験法(XII)
—ゼオライトと凝集剤を用いた地下水からの放射性核種の分離—
大西 和子小林 陽太鎌田 正裕
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2020 年 68 巻 1 号 p. 40-43

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抄録

ラドン222やその子孫核種である鉛214,ビスマス214などが,湧水や井戸水に代表される身近な地下水に含まれていることは少なくない。しかし,その濃度は放射能泉の泉水と比較すると非常に希薄であるため,安価な測定器でその存在や減衰を確認しようとすると,多量の地下水を扱う必要がある。本研究では粉末のゼオライトを沈殿凝集剤PAC(ポリ塩化アルミニウム水溶液)と組み合わせて使用することで,多量の地下水から効率よく放射性核種を集める方法を開発した。本方法で使用する試薬は安全性の高いものであり,開発された教材は,学校近隣にある地下水を利用した探究学習用の課題としても活用が期待できる。

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© 2020 公益社団法人 日本化学会
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