2023 年 71 巻 8 号 p. 322-325
コロナ禍において,罹病したときのみならずワクチン接種時の副反応を抑える目的で,市販の解熱鎮痛薬を手に取る機会が多くなった。解熱鎮痛薬は人々の健康や社会のために欠かすことのできない医薬品であることが改めて認知されたように思う。本稿では解熱鎮痛薬の代表格であるアセトアミノフェンと,非ステロイド系抗炎症薬であるアスピリン,イブプロフェン,ロキソプロフェンについて,歴史と合成法の進歩を概説する。また医薬品化合物を数百kgからt単位で合成するための工業的手法についても述べる。