2024 年 72 巻 10 号 p. 416-419
界面活性剤の世界需要は増加の一途をたどる一方で,主原料のヤシ油やパーム核油から得られる炭素数12,14のラウリン系油脂は,環境破壊などの問題で今後の大幅な増産は困難である。そこで筆者らは,より豊富に存在する炭素数16,18のオレイン系油脂から水溶性と界面活性を高次元で両立するバイオIOSを開発した。筆者らは,バイオIOSをオレイン系油脂から高級アルコール,内部オレフィンを経て製造し,各工程において独自の製造技術を確立し,色相が良く,不純物が少ないバイオIOSの大量安定供給に世界で初めて成功した。