日本東洋医学雑誌
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原著
体質に関するCCMQ質問票日本語版の臨床開発とその妥当性の検証
朱 燕波折笠 秀樹上馬場 和夫許 鳳浩王 き
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2008 年 59 巻 6 号 p. 783-792

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抄録

目的:本研究の目的は中国語版体質に関する質問票(CCMQ)の日本語版を開発することである。この質問票は全部で60問あり,9つの下位尺度(平和質・気虚質・陽虚質・陰虚質・痰湿質・湿熱質・お血質・気鬱質・特稟質,ここで平和質を除く8体質は病理体質)に分けられる。この質問票に対して,信頼性と妥当性を検証することを目標とする。  方法:2005年12月から2006年2月にかけて,富山市内の130名の住民に対してTest-retest法を用いて調査を実施した。質問票の許容性は回答時間と回答率で評価した。内部妥当性は下位尺度ごとにクローンバックα係数で検討し,1回目と2回目の回答に関する再現性は重み付けカッパ係数とスペアマン相関係数で検討した。基準連関妥当性は,本質問票のCCMQと包括質問票として著名なSF-36下位尺度との相関係数で評価した。
結果:回答時間は平均8分であり,回答率はほぼ100%であった。9つの下位尺度に関するα係数は0.65から0.79であった。再現性は各質問につき0.41~0.81であり,下位尺度については0.79~0.88と優れていた。基準連関妥当性については,予想通り,正常体質である平和質型とSF-36とは正の相関を示し(r=0.46,P<0.001),病的体質である残り8つの体質型とSF-36とは負の相関を示した(-0.35~-0.50,P<0.001)。
結論:中国語版体質に関する質問票(CCMQ)の日本語版を開発し,その信頼性と妥当性を130名の住民に対して立証した。今後,日中間において体質研究を行う際,この質問票は有用な道具になることが期待される。

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© 2008 一般社団法人 日本東洋医学会
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