日本東洋医学雑誌
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論説
英語論文における漢方の英語表現の文献計量学的研究
—漢方を英語表現する時には“Kampo”と“Japanese”の両方が含まれる表現としよう—
新井 一郎津谷 喜一郎
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2011 年 62 巻 2 号 p. 161-171

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抄録

漢方の英語論文において文献データベースで付与されているキーワードと論文中の漢方の英語表現との関係を調査し,漢方が英語論文中でどのように表現されるべきかを考察した。まず,The Cochrane Library中のCENTRALからPubMed由来の漢方論文を選出した。“Medicine, Kampo”というMedical Subject Headings(MeSH)が付与されている論文は,本MeSHが設定された2000年以後では53報中13報と少なかった。次に,論文中の“Kampo”という言葉の有無や漢方が“Japanese medicine”と表現されているかどうか,また,それと“Medicine,Kampo”付与との関係を調査した。その結果,論文中に“Kampo”と“Japanese”を含む表現が併記されていると,“Medicine,Kampo”が付与される割合が高いことが判明した。英語論文を書く場合には,漢方の英語表現として“Kampo”および“Japanese”が含まれる“Kampo medicine (traditional Japanese medicine)” のような表現を用いるべきである。

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© 2011 一般社団法人 日本東洋医学会
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