日本東洋医学雑誌
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臨床報告
黄連湯が有効であった顔面紅斑・紅潮の5例
土倉 潤一郎前田 ひろみ伊藤 ゆい吉永 亮井上 博喜上田 晃三矢野 博美犬塚 央益田 龍彦藤野 昭宏田原 英一
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キーワード: 黄連湯, 顔面紅斑, 顔面紅潮
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2015 年 66 巻 3 号 p. 236-243

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抄録
一般に黄連湯を皮膚疾患に対して使用することは稀である。今回,「上熱中寒」を参考にして,黄連湯を顔面紅斑 ・紅潮に用い,有効であった5例を経験した。「上熱」や「中寒」に関して,具体的な症候はこれまであまり報告されていないが,「温まると悪化する顔面紅斑・紅潮」「赤ら顔」「ほてり」「のぼせ」「舌の黄苔」を「上熱」,「温かい飲み物を好む」「冷たい飲み物で下痢が悪化する」「他覚的な心下の冷感」を「中寒」と考えることで,黄連湯を皮膚疾患に応用することが可能であった。
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© 2015 一般社団法人 日本東洋医学会
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