J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

日本東洋医学雑誌
Vol. 67 (2016) No. 3 p. 296-301

記事言語:

http://doi.org/10.3937/kampomed.67.296

臨床報告

骨盤内うっ血症候群は,骨盤内静脈のうっ滞や静脈瘤が原因となり,下腹部痛等を生じる疾患である。下腹部痛を主訴に来院され,左子宮周囲静脈と左卵巣静脈の拡張を認めたことから,骨盤内うっ血症候群と診断,桂枝茯苓丸にて症状が改善した症例を経験したので報告する。
61歳女性。主訴は左下腹部痛でNRS9であった。寺澤らの瘀血スコア40点で重症の瘀血状態と診断した。CT 検査にて左卵巣静脈が10mm に,経腟超音波検査にて左子宮周囲静脈が6.0mm に拡張していることから,骨盤内うっ血症候群と診断した。桂枝茯苓丸(7.5g/日)を投与したところ,NRS1,瘀血スコア20点と改善し,6ヵ月で症状消失したため廃薬とした。
廃薬後3ヵ月で,再び左下腹部痛にて来院され,桂枝茯苓丸を再投与し改善した。再投与5ヵ月後の造影CT は左卵巣静脈の拡張は10mm から9mm と変化は認めなかった。現在10ヵ月間継続投与中である。

Copyright © 2016 一般社団法人 日本東洋医学会

記事ツール

この記事を共有