近畿大学東洋医学研究所
1986 年 37 巻 2 号 p. 95-101
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遠心性環状紅斑と思われた48歳の男性を漢方薬で治療した。臨床像および臨床所見は遠心性環状紅斑のそれに明らかに一致するものであった。皮膚病変は, 軽度の落屑を伴っているが, 主体は紅斑であり, 上腹部と両側の腰背部に認められた。この治療では, 大柴胡湯の煎剤を主とし, 桂枝茯苓丸は兼用とされた。腰背部の発疹は加療後1ヵ月で, 腹部の発疹は加療後4ヵ月で, 全く痕跡もなく, 完全に治癒した。皮膚病変の治癒のメカニズムについて,“細胞病理学”の観点と“個体病理学”の観点から, 若干, 考察した。
日本東洋醫學會誌
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