日本東洋医学雑誌
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過去15年間の我々の漢方治療における実態の変遷と治療成績の推移
関 正威池田 宏芹澤 勝助
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1988 年 39 巻 2 号 p. 141-149

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抄録
1986年の終りに漢方薬は新剤型に切換えられ, 同時に常用量は5gから7.5gになった。それにもかかわらず, 我々の15年間の1270人の患者での1864件の疾患についての経験による治療成績はむしろ変動は少なく, 良いとかなり良いが約60%, やや良いが約20%, 不変が約20%だった。この事実はとくに方証相対の良好な症例では, 1日5gでも十分満足な結果を得ることができることを意味しているかもしれない。
平均より良い成績はかぜ, 月経不順, 頭痛, 便秘, 腹痛, 痔疾で得られた。副作用発生率は常用量の増加にもかかわらず, 2.0ないし2.8%から1.4%に低下傾向を示した。一見副作用のようにみえても瞑眩のことがあり, その場合はさらに投与量を減らしてみるとよいだろう。
入院患者に積極的に治療することは患者のためだけでなく, 医師の熟達にもよい。最近若い患者の成績が良く, 若い医師の東洋医学への関心も広く深い。社会環境が成熟した証拠かもしれない。
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© 社団法人 日本東洋医学会
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