日本東洋医学雑誌
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壊病についての一考察
臨床経験より
盛 克己中村 謙介太田 東吾貝田 豊郷富田 寛村山 和子村山 照之佐橋 佳郎
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1989 年 40 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

傷寒論には, 誤治によって病態が崩れてしまった「壊病」という状態があることが記載されている。同じように「合病」や「併病」の記載もある。後者については, 多くの先輩たちによりその病態や治療についての研究がなされ,「合病」については1つの処方で対処し,「併病」については先表後裏・合法・先外後内・先急後緩で対処することが明かになっている。しかし,「壊病」についてはその病態や治療についての報告はあまりみられない。しかし, 誤治などによって病状がはっきりしなくなることは臨床的にはよくみられ, その中には「壊病」と考えられる症例があると思われる。
今回, 臨床経験を通じて,「壊病」の病態の解明及び治療の一助として, 1つの考えを示唆してみた。

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