日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
直腸癌術後排尿障害に対する鍼治療の効果
津田 昌樹三崎 俊光小杉 光世三潴 忠道土佐 寛順小林 長
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 40 巻 4 号 p. 207-213

詳細
抄録

直腸癌根治手術後の排尿障害を有する4症例に対し鍼通電療法を行った。症例はすべて手術後1ヵ月以内であり,1例に対し次〓, 中〓, 陰陵泉, 腎命, 3例に対し曲骨, 次〓, 中〓に置鍼しパルス通電治療器で通電した。その結果, (1) 尿意の乏しかった3例中2例において鍼治療開始日より明らかな尿意が出現し, 1例は翌日より改善した。(2) 1回自排尿量は2例において治療開始2日後に明らかな改善を認めた。(3) 鍼治療を開始してから残尿量が50ml以下となるまでの日数は平均17.5日であった。これらの成績は直腸癌術後の排尿障害に対する鍼通電療法の有効性を示唆するものと考えられた。

著者関連情報
© 社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top