日本東洋医学雑誌
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小柴胡湯合半夏厚朴湯の血中IgEおよびIgG抗体への影響
田北 雅夫夫 彰啓北田 裕陸渋谷 知宣
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1990 年 41 巻 1 号 p. 47-53

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抄録

アレルギー疾患患者22例に小柴胡湯合半夏厚朴湯を投与の所以下の結論を得たので報告する。
1) 全般に血中IgE値の低下を認めた。この低下は投与前血中IgE値が1000IU以下であった症例に顕著であった。
2) IgE値の低下と症状の改善度はほぼ相関していた。
3) 血中IgG値の上昇を認めたが, 血中IgE値および, 症状との関係は明確にできなかった。
4) 症状の改善は投与直後より認められたが, 1年以上の連用で, より顕著となる傾向を示した。
5) ステロイド依存性喘息患者では, 全例にステロイド剤の離脱または減量が可能であった。

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