日本東洋医学雑誌
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アトピー性皮膚炎の顔面潮紅に対する温清飲の有用性の検討
東 一紀
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1996 年 46 巻 5 号 p. 753-759

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抄録
顔面の潮紅を主症状または主訴の一つとするアトピー性皮膚炎の患者20症例を対象として, 漢方製剤の温清飲を投与してその臨床的有用性を検討した。温清飲を単独で使用した10例では著効1例 (10%), 有効2例 (20%), 無効7例であり, 効果出現時期はいずれも投与後2週間以内であった。一方, 温清飲と他の漢方内服薬を併用した10例では有効3例 (30%), やや有効3例, 無効4例であった。副作用は2例 (10%) に起こり, 全身の紅斑の著明な悪化1例, 胃痛1例であった。以上より温清飲はアトピー性皮膚炎の顔面潮紅に対する有用な治療薬の一つであると考えた。
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