1999 年 49 巻 5 号 p. 871-876
桂枝去桂加茯苓白朮湯は, これまで「心下満微痛」をもとに感冒などの急性疾患に奏効した報告がなされいているが, 慢性疾患に対する投与目標は未だ明確に記されていない。今回, 頭痛, 頭重, 肩凝り, 腰痛等の症状を呈する頸肩腕症候群に対し桂枝去桂加茯苓白朮湯が奏効した4症例を経験した。これら4症例の検討により桂枝去桂加茯苓白朮湯の投与目標として, (1) 無汗, (2) 舌の腫大, 歯痕, (3) 心下病, 胃部振水音, (4) 気虚が考えられた。