日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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尋常性疣贅に対する紫雲膏の使用経験
前田 學
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2000 年 51 巻 2 号 p. 261-267

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抄録

27例の足底疣贅や指の尋常性疣贅に対してビスコクラウリン・アルカロイド製剤と漢方製剤 (十味敗毒湯) 内服及び紫雲膏外用の併用療法を試み, その臨床的効果を検討した結果, 27症例中, 1ヵ月以内に略治した著効例は7例 (25.9%), 3ヵ月以内に治癒した有効例は12例 (44.5%) で, 3ヵ月以上の治療を要したやや有効例は8例 (29.6%) であり, 無効ないし悪化例は見られなかった。また, 紫雲膏外用2ないし4週間後に採取した5例の病理組織所見では角質及び表皮細胞全体に膨化と融解・裂隙形成を認めたことより, 有効かつ有用な治療法の一つと考えられた。

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