日本東洋医学雑誌
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ラットのニューロパシックペインモデルに対する当帰四逆加呉茱萸生姜湯の有効性について
奥田 圭子臼井 要介篠崎 未緒恵川 宏敏山口 重樹
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2002 年 53 巻 3 号 p. 205-209

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抄録

ラットの坐骨神経を結紮して Bennett らのニューロパシックペインモデルを作製し, 当帰四逆加呉茱萸生姜湯の鎮痛効果を以下の3群に分けて調べた。1群は結紮なし, 投薬なし, 2群は結紮あり, 投薬なし, 3群は結紮あり, 投薬ありとした。1, 2群には生食1mlを, 3群には当帰四逆加呉茱萸生姜湯0.1mg/g/日を生食1mlに溶解して14日間経口投与した。結紮前, 結紮後7, 14日目に疼痛計測のための熱刺激試験を行い, 同時に鼓膜温, 足底温を測定した。その結果, 2群では結紮後7, 14日目にニューロパシックペインの発現がみられたが, 14日目に3群ではこれに対する漢方薬の鎮痛効果が認められた。また結紮後14日目に, 1群と比較し2群では結紮側の下肢温が低下した。しかし3群では1, 2群に比較して有意に両下肢温の上昇がみられた。当帰四逆加呉茱萸生姜湯のニューロパシックペインに対する鎮痛効果と末梢温改善作用が示唆された。

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