日本東洋医学雑誌
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半夏厚朴湯証の腹候について特に中〓痞満についての検討
堀野 雅子
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2005 年 56 巻 5 号 p. 801-804

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抄録

半夏厚朴湯は金櫃要略記載の気剤で「咽中炙臠」を目標に使用される事が多いが, 先人達は腹候, 特に中〓痞満の重要性を指摘している人も多い。そこで咽中炎臠と中〓痞満の関係を中心に検討してみた。半夏厚朴湯証と思われる患者18名 (男性2名女性16名) 全員中〓圧痛及び不快感のあった人について半夏厚朴湯エキス又は煎じ薬を投与して主訴, 自覚症状, 腹候特に中〓の状態, 服薬後の中〓の変化について検討した。咽中炎臠は66.7%, 冷えは55.6%, 腹力は中程度が77.8%, 心下に変化のあった人は38.9%, 振水音は11.1%であった。服薬後の中〓の状態は, 記載漏れを除く69.2%が圧痛又は不快感が消失または軽減していることが判明した。

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