抄録
本稿では,全国市区町村を対象として,民生部門(特に家庭部門)の再生可能エネルギーによる電力需給を比較した。推計では,家庭や事業所等で全国的な普及が見込まれる太陽光発電の利用可能量を供給とし,電力使用量(電灯)を需要として比較を行った。なお,太陽光発電における季節間の需要特性を考慮し,年間推計とともに季節別・月別でも推計を行った。年間推計の結果,電力が大量に消費される政令市においては,各家庭や事業所に設置した太陽光発電によって民生部門の電力供給がある程度可能であることが示された。クラスター分析においては,(1)五大都市圏政令市とその郊外,(2)五大都市圏政令市都心部,(3)主に市部,(4)主に町村部,に市区町村が分類された。各種再生可能エネルギーによる発電方法の中に占める太陽光発電の位置や普及政策等の施策を,地域別・季節別の太陽光発電利用可能量に応じてきめ細かく変える必要があると指摘できる。