感染症学雑誌
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原著
腸管病原性細菌に対するEnterococcus faecium BIO の 増殖抑制効果の検討
忽那 圭子薮内 寛次余 明順本田 武司
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2009 年 83 巻 2 号 p. 101-106

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抄録

Enterococcus faecium BIO は健康食品の原体として用いられている乳酸菌である.本菌の抗菌活性を検討するため,増殖抑制効果を簡易に判別する方法,寒天重層抗菌テスト法を開発した.この方法ではE. faecium BIO と供試菌が直接接触することがないので,抗菌活性はE. faecium BIO の産生する物質によることが予測される.この方法で腸管出血性大腸菌(EHEC)をはじめ,多くの腸管感染原因菌に対してBIO が増殖抑制効果を示すことが明らかになった.抗菌活性を有する物質の検討を行った結果,E. faecium BIO が産生する乳酸が主たる要因であろうと推測されたが,それ以外の抗菌物質の産生の可能性も示された.

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© 2009 社団法人 日本感染症学会
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