感染症学雑誌
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新たに開発された第4 世代HIV 迅速診断試薬の性能評価
中桐 逸博和田 秀穂徳永 博俊福田 寛文田坂 大象杉原 尚
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2015 年 89 巻 6 号 p. 733-740

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抄録

早期にHIV 感染症を診断することは治療において極めて重要とされている.この度,新たに開発された第4 世代イムノクロマトグラフィー法(Alere HIV Combo)によるHIV 迅速診断試薬の性能評価を実施した.川崎医科大学附属病院を受診し,HIV スクリーニング検査を受けた日本人成人250 例から採取された全血,血漿および血清検体を用いた.また,市販の12 種類のセロコンバージョンパネルおよびWHO スタンダード抗原を用いた.本法の検出感度は100%,特異度は99.3%でCLIA 法に匹敵する精度であった.セロコンバージョンパネルを用いて感染初期感度試験を行ったところ,平均陽性転化日は19.3 日であった.本法はHIV-1p24 抗原の検出感度が高く,かつ全血検体でも血漿および血清と同じ結果が得られることから,一般診療に有用な迅速測定法であると考えられた.

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© 2015 一般社団法人 日本感染症学会
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