論文ID: e24002
厚生労働省科学研究班が実施した新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)1)に参加した製造販売承認後早期の被接種者(医療従事者)のうち,調査参加の同意が得られた14,570名を対象に,コミナティ筋注(1価:起源株)(以下,本剤)の初回免疫の最終接種28日経過後翌日から,初回免疫の最終接種12カ月後までの長期的な安全性を確認することを目的に,一般使用成績調査を実施した.
安全性解析対象集団は14,537例であり,被接種者背景は,男性32.97%,女性67.03%,年齢の中央値は43.0歳であった.
重篤な副反応発現割合は0.03%(4例)(虫垂炎,血球貪食性リンパ組織球症,切迫流産および自然流産が各1例)であった.転帰はいずれも消失・回復で生命を脅かすものはなかった.
重篤な有害事象の発現割合は0.83%(120例)[主な事象は,COVID-19(9例),自然流産(5例),椎間板突出(4例)]であった.
観察期間中に追加免疫を実施した症例13,695例において,追加免疫から観察期間終了までに発現した重篤な副反応は2例,重篤な有害事象は48例であった.
COVID-19の核酸検出検査および抗原検査を実施した症例14.26%(2,073例)のうち,陽性の症例は2.22%(46例)であり,46例全例がCOVID-19を発症した.このうち9例は,重篤な有害事象として報告され,転帰はいずれも消失・回復であった.重症化症例はなかった.
本結果は国内外の臨床試験の結果と同様の傾向であり,本剤の安全性に新たな懸念は認められなかった.