感染症学雑誌
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緑膿菌臨床分離株と環境株の外毒素産生能について
庄田 昌隆
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1981 年 55 巻 12 号 p. 898-901

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抄録

Pollackら, Bjornら, Hommaらは緑膿菌臨床分離株の外毒素産生率につき, それぞれ, 87%, 89%, 87%と報告している.緑膿菌の産生する外毒素がモルモット皮膚壊死活性を持つていることがすでに認められているので, われわれは緑膿菌臨床分離株42株と緑膿菌環境株32株につき外毒素産生能をモルモット皮内反応にて調べ, さらに臨床株の材料別, 血清型別に外毒素産生能の違いがあるかどうかを調査した.
緑膿菌臨床分離株の外毒素産生率は79%と諸家の報告に近い.一方環境株は22%と低い産生率を示し臨床株との間に有意の差があつた.
臨床材料別でみた外毒素産生率は, 尿, 喀痰, 皮膚の問では有意の差はみられなかつた.また血清型別でみた外毒素産生率は, B群, I群にやや高い傾向がみられた.

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