感染症学雑誌
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大学生における風疹ワクチン接種後の経時的抗体産生状況について
丸山 典彦伊藤 宏内山 秀和戸根 慶子角野 猛松井 清治
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1983 年 57 巻 8 号 p. 656-661

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抄録

風疹抗体陰性の大学生50名を対象にワクチンを接種した後, 経時的に採血して抗体価ならびに免疫グロブリンの測定と同時に副反応についても検討し, 次の成績を得た.
1. 大学生168名中, 風疹HI抗体の陽性率は女子で59.0%, 男子で76.3%, 全体では64.3%であった.
2. ワクチン接種後, 3週から抗体産生が認められ, 5週において全例 (100%) の陽転が認められた.
3. 5週における平均抗体価はHI価で68.6倍, NT価で42.4倍であり, 両抗体価の間には高い相関 (r=0.95) が認められた.
4. 遠心分画法による2・ME感受性試験で接種後3週から6週目の血清の一部にIgMが検出された.
5. 接種後, 副反応を呈したものは50名中6名 (12%) に認められ, そのうちわけは関節痛が2名, 発疹が1名, 発熱が1名であった.

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