感染症学雑誌
Online ISSN : 1884-569X
Print ISSN : 0387-5911
ISSN-L : 0387-5911
感染症由来DICに対するアンチトロンビンIII濃縮製剤の治療効果に関する研究
小林 宏行河合 伸押谷 浩玉熊 正悦早坂 滉秋山 守文中村 孝橋本 伊久雄沢田 康夫武部 和夫岡本 勝博高橋 修一増田 光男武田 元山作 房之助鈴木 康稔勝 正孝林 泉石引 久弥相川 直樹池本 秀雄渡辺 一功波多野 道信関 正人吉田 尚王 伯銘藤森 一平小林 芳夫大久保 隆男丸田 壱郎由良 二郎伊藤 実三島 晃武内 俊彦加藤 政仁山本 俊幸川村 秀和鈴木 幹三谷村 弘森 敬一郎酒井 克治上田 隆美藤本 幹夫折田 薫三浜崎 啓介藤井 千穂横山 隆三好 信和栗村 統井原 章裕中山 文夫萱島 孝二岩崎 一教沢江 義郎志村 秀彦山本 博原 耕平斉藤 厚重野 芳輝山口 恵三河野 茂泉川 欣一渡辺 講一宮内 好正糸賀 敬細川 隆文堀 高志
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 59 巻 11 号 p. 1121-1134

詳細
抄録
感染症に併発するDICに対し, アンチトロンビンIII濃縮製剤を用い, 治療効果の検討を行なった. 投与総症例は45例であり, 11例が薬効評価上, 除外された. 分析例34例中, 出血症状があったものは20例であり, うち, 14例 (70%) に症状の消失が認められた. 臨床症状の改善率は69.7%, 凝血学的改善率は, 81.8%であった. ヘパリン血液製剤等の併用薬の有無別に, 臨床症状, 凝血学的改善率をみると, 本剤単独投与でそれぞれ71.4%, 85.7%, 併用例でのそれは, 70.0%, 80.0%であった. 本剤に起因すると考えられる副作用, 臨床検査値異常例は, 45例全例に認められなかった.
以上の成績から, 感染症由来DICに対するアンチトロンビンIII濃縮製剤の有用性は, 十分示唆されたものと考えられた.
著者関連情報
© 日本感染症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top