1992 年 66 巻 11 号 p. 1532-1537
ポビドンヨード及び次亜塩素酸ナトリウムの2剤の試験管内殺菌効果は, 著しく高かったが, 手洗い消毒効果は極めて低かった.それに対して, クロラミンT, クロルヘキシジン及び塩化ベンザルコニウムの3剤は, 試験管内殺菌効果は, 他の2剤に比して著しく低かったが, 手洗い効果は逆に他の2剤をはるかに凌駕していた.ポビドンヨード及び次亜塩素酸ナトリウムの試験管内殺菌効果は, ペプトン添加によって殺菌効果が著しく抑制されたが, クロラミンT, クロルヘキシジン及び塩化ベンザルコニウムの試験管内殺菌効果は, ペプトン添加の影響を受けなかった.これらの成績から, ペプトン存在下での試験管内殺菌効果を検討することが消毒剤の手指消毒剤としての適性を知る有効な手段となることが示唆された.