感染症学雑誌
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運動性Aeromonas感染症に関する研究: 3ヒト下痢症から分離された運動性Aeromonasのファージ型別
福山 正文川上 久美子今川 八束伊藤 武原 元宣田淵 清
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1992 年 66 巻 5 号 p. 628-631

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抄録

東京都立の4病院の下痢症患者から分離された運動性Aeromonas102株についてファージ型別を行ったところ, 以下の成績を得た.
1) 供試した102株中52株 (51.0%) が28のファージ型に型別されたが, 既に著者らが行った自然環境由来株21.7%, 食肉由来株25.0%に比べ高率であった.菌種別では, A.hydrophilaは62株中33株 (53.2%), A.sobriaは35株中16株 (45.7%), A.caviaeは4株中2株 (50.0%), Aeromonas spp.は1株中1株 (100.0%) が型別された.
2) ファージ型別された52株の内, 1群に型別されたものが16株 (30.8%) と最も多く, 続いて1/III群に5株 (9.6%), 1/II群, 1/II/V群, IV群, V群及びVI群に各々2株 (3.4%) が該当していた.残りの21株はそれぞれの各群に1株 (1.9%) つつ型別された.また, 型別された中で, 35株 (67.3%) が1群と1群を含む複数の組み合わせのものに該当し, 下痢症由来株の34.0%が1群と関連していることが明らかとなった.

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