1993 年 67 巻 11 号 p. 1108-1114
E.coli J 5株由来LPSに対するマウスモノクローナル抗体 (E5) を用いて, LPsとTNF-α によるマウス血圧降下作用に対する効果を検討した.E.coli 0111: B4S型LPS2μgとTNF-α8,000単位を混合してマウスへ静注すると相乗的に血圧が下降した (これら単独では血圧は下降しなかった).これに対してE520μgを10分前に投与するとこれらの混合物による血圧下降を有意に抑制した.また, E5を10分後に投与した場合, 20μgでは有意な抑制効果はみられなかったが, 50μgと100μgでは有意に抑制した.特に100μgのE5はほぼ完全に抑制した.さらにE5を30分後に投与した場合, 100μgのE5は有意に抑制した.この結果, E5は体内で効果的に作用していることが示された.