感染症学雑誌
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血液疾患に伴う深在性真菌症に対するミコナゾールとG-CSFの併用効果に関する検討
多施設共同試験
浦部 晶夫溝口 秀昭浅野 茂隆鶴岡 延嘉小林 正之平嶋 邦猛吉田 稔三浦 恭定平井 久丸鎌倉 正英鈴木 憲史森 眞由美青木 延雄藤岡 成徳野村 武夫外山 圭助池田 康夫小野澤 康輔青木 功小峰 光博塩谷 茂斎藤 恒博武藤 良知高久 史麿
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1995 年 69 巻 6 号 p. 701-710

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抄録
血液疾患に合併した深在性真菌症および深在性真菌症疑いの患者を, I群: ミコナゾールとG-CSFを同時に投与開始した群, II群: G-CSF投与中に発熱を生じたため, ミコナゾールを後から併用した群, III群: ミコナゾール単独投与群, の3群に分け, ミコナゾールとG-CSFとの併用による臨床効果について検討した.
総症例数は117例であり, 脱落・不適格例12例を除くI群37例, II群39例, III群29例の計105例について解析した.
105例中, 深在性真菌症例は31例, 深在性真菌症疑い例は74例であり, 基礎疾患は急性白血病を中心とした造血器系悪性腫瘍がほとんどであった.
主として解熱効果から判定した有効率は, I群62.2%(23/37), II群43.6%(17/39), III群41.4%(12/29) であり, I群において最も有効率が高かった.投与前後の好中球数別に判定した臨床効果では, 1, II群において投与前後とも500/μl未満であった症例の有効率 (I群33.3%, II群33.3%) に比し, 投与前が500/μl未満であっても投与後に500/μl以上に増加した症例で有効率が高かった (I群75.0%, II群72.7%).
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© 日本感染症学会
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