感染症学雑誌
Online ISSN : 1884-569X
Print ISSN : 0387-5911
ISSN-L : 0387-5911
ELISA法によるChlamydia pneumoniae肺炎の多施設問スクリーニング
石田 直橋本 徹有田 真知子伊藤 功朗石原 享介岡崎 美樹田口 善夫
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 73 巻 1 号 p. 70-75

詳細
抄録

本邦におけるChlamydia pneumoniae肺炎の頻度と実態を調べるため, 多施設において1年間に入院した成人市中肺炎患者についてprospectiveに起炎微生物を検索し, ELISA法によってC, Pneumoniaの抗体を測定した。
期間中214例の患者について検討を行った。C. Pneumoniae急性感染と考えられたのは17例 (7.9%) であり, これはStrepococous Pneumoniae (21.5%), Haemophilus influenzae (8.4%) に次いで多く認められた起炎微生物であった。慢性抗体の保有率は62.1%であった。C. pneumonia肺炎患者の大多数は高齢者であり, 呼吸器系の基礎疾患を持つ患者が多く, 他の細菌性肺炎との合併が疑われる症例もみられた。
複数の問題点は残存するものの, ELISA法はC. pneumoniae肺炎の診断に有用であり, スクリーニング検査として適していると思われる。

著者関連情報
© 日本感染症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top