感染症学雑誌
Online ISSN : 1884-569X
Print ISSN : 0387-5911
ISSN-L : 0387-5911
抗菌性尿道留置カテーテルの開発に関する基礎的研究 (第1報)
抗菌性コーティング素材の開発
橋本 英昭小野 憲昭門田 晃一公文 裕巳斯波 徹安達 俊明金子 佳代
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 74 巻 5 号 p. 431-440

詳細
抄録

新しい抗菌性カテーテルを開発するために, シリコンカテーテルにコーティングする抗菌剤および抗付着性剤を検討した. 抗菌剤として, 種々の銀化合物の抗菌作用, 化学的特性, 毒性などの有用性を評価した. クエン酸銀, リン酸銀, 酸化銀に優れた抗菌作用が認められ, 生物学的安全性, 抗菌力の強さ, 持続性よりクエン酸銀を選択した. また, いくつかの界面活性剤において, シリコンカテーテルへの細菌付着抑制効果が認められ, その中で, 大豆レシチンに濃度依存性の強い細菌付着抑制効果が認められた. 最終的に, クエン酸銀, 大豆レシチン, 液状シリコンの2: 2: 8の配合が, シリコンカテーテルへの理想的な抗菌性コーティングであると考えられた.

著者関連情報
© 日本感染症学会
次の記事
feedback
Top