2003 年 77 巻 9 号 p. 654-660
化学発光法によるMRSAの判定は, 従来の微量液体希釈法に比べて10数時間あまり早く結果を得ることができることから迅速報告が可能となる. そこで, Staphylococcus aureusを対象に化学発光法によるMPIPCに対するMICならびに薬剤感受性評価を微量液体希釈法で得られた成績と比較した. 両検査法でのMPIPCに対するMICと感受性評価はMSSAで87%の一致率であったが, 接種菌量を調整することで全菌株の一致をみた. MRSAでは全菌株でMICも感受性評価も一致した. MRSA報告に化学発光法を応用し始めて約1年が経つが, 迅速なMRSA報告は診療側から前向きに評価されている.