感染症学雑誌
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新しい酵素基質培地のMRSAに対する感度・特異性
田口 晴彦金子 孝昌小野崎 正修久保 亮一神谷 茂
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2004 年 78 巻 1 号 p. 54-58

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抄録

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 57菌株, メチシリン感受性黄色ブドウ球菌 (MSSA) 43菌株の合計100菌株を用いて, 3種類のMRSA分離培地 (MRSAスクリーン寒天培地, Oxacillin Resistance Screening Agar, およびCHROMagar MRSA) のMRSAに対する感度・特異性について比較検討を行った. その結果, CHROMagar MRSAは, MRSAに対する感度, および, その特異性も100%であった. 一方, MRSAスクリーン寒天培地とOxacillin Resistance Screening Agarの場合, 両培地ともMRSAをMSSAと判定される菌が4菌株存在したことから, MRSAに対する感度, および, その特異性は, それぞれ100%と91.5%であった. MRSAでありながらMSSAと判定された4菌株は, mecAを保有しながらoxacillinに対するMICが2μg/ml以下の菌であった. これらの結果より, CHROMagar MRSAがMRSA分離培地として有用であることが示唆された.

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